中庭に面して大屋根が、薄い瓦と見せている。
庇も、鉄板3ミリで、特に薄く、フラットな面として見せ、軽快にしている。(2度目に行ったときにはもう雨の後がはっきり鉄板に表れていた。これが上手く表情となれば成功だが、まだ良くわからない。)
家型民家型、藁葺きの農家屋根を表しているのだろうか。
屋根は鉄板だが、極力フラットに、目地も小さく納めている。(ここは薄板だから、本館の鉄板庇ほどフラットにはならず、波打が見える。)内部の和紙抽象化天井と合わせて、単純なボリュームを創ろうとしているのが解る。求心的な天井形だ。反対に壁はカウンター以外は全面ガラスにして外に開いて拡散させている。
本館もまた求心と拡散がテーマなのかもしれない。

アプローチ通路 照明が点いて一段と象徴的情感を感じる。
表参道の地で、深い緑の庭が広く、茶室外観と、和風庭園が楽しめる。
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(公称2階建てですが、3階と呼んだ方が解りやすいのでそうしました。)
奇想遺産―世界のふしぎ建築物語
¥ 2,940 新潮社 (2007/9/25)
鈴木 博之/藤森 照信/隈 研吾/松葉 一清/山盛 英司 (著)
建築って、こんなに面白い!
思わず息をのみ、そして気付く。「この建物、なんかヘン!」
一体どうして、これほどに異様で、おかしな建物ができたのか?
その魅力の虜になった専門家たちが解きあかす77の物語。
生涯にわたって石を集め、ナゾの宮殿を建てた郵便配達夫を突き動かした情熱とは?
現在、高い評価を得ている巨匠の作品が、完成当時、物議を醸したのは何故か?
建築たちの情熱が今も息づく建物をめぐる旅へ――。
(「BOOK」データベースより)
★この本の隈研吾の語りは面白かった。自己の主張を込めて簡潔に語られている。
巨大建築がすでに時代の主役を降りた中で、次なる主体を浮かび上がらせる。ウィットに富んだ時代の読みを示す。なかなかうならせる内容ばかりだった。短い文章で一気に全体を伝えてしまう。
シアトル中央図書館/レム・コールハウス 新凱旋門/ヨハン・オットー ゲートウエー・アーチ/エーロ・サーリネン 太陽の塔/岡本太郎 シドニーオペラハウス/ヨーン・ウツソン ロンシャン礼拝堂/ル・コルビュジェ アブラクサス/リカルド・ボフィル バレ(宮殿)とよばれるくらいだから、どんな金持ちが住む高級マンションが聳えているのだろうと、 設計者のボフィルは、ローマ流の古典主義様式の名手として知られる。その肝さえ心えていれば、材料がプレキャストコンクリートの工場で作った安い材料を使いながら、ダイナミックな空間を作れるのが、このスタイルのマジックである。ヨーロッパには安家賃で、安定した生活を保障するという伝統がある。一方日本ではアメリカ流の自由競争市場万能主義で、その先にどんな殺伐とした都市と生活とが待っているかを、誰も真剣に考えていない。(建築家達には伝統的にこの批判を共有している。take)
ビルバオ・グッゲンハイム美術館/フランク・ゲーリー ジョンソンワックス本社ビル/ライト フラットアイアンビル/ダニエル・バーナム テート・モダン/ヘルツォーク/ムーロン ユダヤ博物館/リベスキンド 昌徳宮 ソニー・センター/ヘルムート・ヤーン ウィーン郵便貯金局/オットー・ワグナー ロースハウス シュレーダー邸
ル・ランシーのノートル=ダム協会/オーギュスト・ペレ
「ここに神がいる」と、大声で叫びたくなった。」でも1923年完成のコンクリート打ち放しの建築にどうして、神が宿るのか。光が鍵である。そして光の印象を圧倒的にしているのは、屋根を支持する高さ11メートルの細く長い柱である。「直径40センチの柱がこんな大空間を支えられるわけがない!」。突然われわれは、この地上を離れ、無重力の宇宙空間に放り出される。そこに神の光が降り注ぐ。めまいを覚えるほどの光の洪水。果てなく高揚する精神。 そしてこの一つの力強い実物は、教会以外の建築物にも大きな影響を与えた。もっとも貧しい材料に、もっとも崇高な精神が宿ることを示した。(抜粋take)
レーモンドの東京女子大チャペルを是非みたいと思うのでありました。(take)